一歩先行くおもてなし!ホテルの愉しみ方教えます

なぜホテルのベッドではしっかり眠れるのか?

観光や出張でホテルを利用した際、なぜか普段よりもぐっすり寝られた、といったような経験はありませんか。これはやはりベッドに違いがあるといわれています。そこで今回はホテルのベッドについて解説していきます。

さてホテルのベッドに関して、一番大事なこととされているのは様々なゲストが深く快適な睡眠を得られる寝心地と、長期間の使用に耐えられる耐久性といわれています。というのもベッドの寝心地については、ホテル滞在のゲストが睡眠のために、1日のうちで一番身体に触れる時間が長いものである、また近年ではゲストが今まで以上により質の高い睡眠を求めるため、という理由からホテルとしては他ホテルとの違いを出し、さらなる集客力を高めるため、益々良いものを導入している状況となっているからです。

また耐久性についてはですが、通常客室のベッドは、ホテルがオープンして以降、平均して10年程度使いますので、5~6年で壊れてしまうようではホテルで利用することはできないという事情からです。それでは実際にどのように寝心地が優れているのかを説明していきます。

現在、ホテルベッドのマットレスの種類は、ポケットコイルタイプベッドとボンネルコイルタイプベッドの大きくふたつの種類に分かれています。今までホテル業界での主流はボンネルタイプとされていたのですが、ここ最近でオープンまたは改装するホテルのほとんどがポケットコイルタイプを採用しています。

そのポケットコイルマットレスというのはどのようなマットレスなのかという説明ですが、1個1個のコイルが連結されておらず、個々が独立しているため、ベッドで寝る人間の体に掛かる圧力を分散する効果に優れており、寝る際の姿勢を自然なものに保てるのです。

なぜポケットコイルマットレスが普及してきたかというと、昔からベッドを使ってきた西洋人に対して、過去の日本人は畳の上で寝ていたため少し硬めのマットレスを好んでいました。そのためマットレスの進歩も遅れていたのですが、1964年にシモンズ社が日本に進出し、シモンズ社をはじめ日本ベッド社やドリームベッド社が日本人の体型や体質にマッチしたポケットコイルの研究により、スプリングマットレスにおけるポケットコイルマットレスが浸透してきたのです。

続いて耐久性に関してですが、ホテルにおいては人種を問わず様々な体格の方々が、ベッドを様々な方法で使います。そのため、家庭で使用するベッドに比べて痛み方が早くなります。そういった理由から、色々な方法の耐久テストを何千回・何万回と繰り返し行い、その過酷なテストに合格したベッドがホテルで使われることになります。

もちろん深く快適な睡眠はすべてがベッドによるものではなく、枕や照明に特別な工夫を施しているということもありますが、それでもやはり快適な睡眠を得るためにベッドが果たす役割は大きいといえます。このようにホテルで使われるベッドは、たゆまぬ研究や開発により、ホテルに宿泊するゲストにとって最も寝心地が良く、そして耐久性に優れたものに日々進化しているのです。