一歩先行くおもてなし!ホテルの愉しみ方教えます

いくらくらい払えばいいの?チップについてのご説明

今回はチップについてのお話をしてまいりますが、そもそもチップとは何ぞやというところからご説明してまいります。まずチップの起源ですが、18世紀のイギリスのパブにおいて、できるだけ迅速にサービスを受けたいという人に対して「To Insure Promptness」と書かれた箱を置いて、その箱にお金を入れた人に対して素早いサービスをしたということが由来とされています。

その語源は箱に書かれてあった3単語の頭文字からきているといわれていますが、真偽のほどは定かではありません。ただ、フランス語においては「pourboire」、ドイツ語においては「Trinkgeld」など、いわゆる「酒を飲むためのお金」というような意味で、サービスをしてくれるスタッフにこの金で酒の一杯でも飲んでくれと、小銭を渡したことがチップの始まりともいわれています。

ちなみに我が国における習慣としては「心付け」というものがありますが、これはチップではなく、あくまでも「気持ち」となりますので、別に渡さなくても問題はないとされています。さてそのチップですが、欧米の高級ホテルを中心に、ホテルに宿泊した際のベルボーイによる荷物の運搬やベッドメイク、ルームサービス、さらにはレストランでの飲食の際のサービスなどに対しての対価として慣習的に発生します。

というのも欧米のホテルにおいてはサービスというものがあくまでも有料になります。ちなみに日本においては、このような慣習はなくなり、現在ではサービス料という名前で料金に乗せられ徴収されています。ただチップという慣習がある欧米などでは、サービス業の賃金がもともと安く設定されているため、ゲストから貰うチップは賃金の一部になっており、給与システムにも組み込まれています。

尚、ベルボーイやベルマン、ウェイターについてはチップを多く受け取れる部署のため給与が低めに設定されていますが、逆にハウスキーピングなどあまりチップを貰えない部署についてはもともとの給与が高めに設定されているそうです。さらにいえばチップが課税対象になっている国もあるそうです。

ただ欧米においてチップは様々な問題により廃れてきているのが現状だそうです。続いてチップのスマートな渡し方ですが、重要なのは「渡すタイミング」と「その渡し方」になるといわれています。さてその渡すタイミングですが、まずはいつでも取り出せるように小さい額の札をポケットに入れておくことです。

というのも支払う時にわざわざ財布を出すなどモタついているようでは決してスマートとはいえません。最後にこんなこともご紹介しておきます。きわめてまれなケースですが、もしあなたがホテルをチェックアウト時に明細を確認していて、合計金額の下に「TIP」という欄があった場合、その欄を空欄にしておくのは危険です。

というのもホテルには、チェックアウト後に支払い漏れがあった場合に、確認なしでゲストの申告漏れとして、ゲストの許可を得ずにサインしているビルの金額を書き直すことができるとされています。よって、空欄の場合はその対応をされてしまう場合があり、クレジットカードチャージで引き落とされる金額が増えてしまっていることもあったそうです。なのでこんな場合には必ずはっきりと「ゼロ」と記入してください。

如何でしたでしょうか。今後海外のホテルに宿泊する際にはチップに関してはかっこよくスマートに支払いましょう!