一歩先行くおもてなし!ホテルの愉しみ方教えます

へぇー、ホテルの起源は意外と古い!?ホテルの歴史を紐解きます

ホテルの語源は、旅人・客・宿主を意味するラテン語のホスぺスからきています。ホスペスは中世のヨーロッパにおいて十字軍の兵士及び旅人が宿泊するために教会が作った施設のこととなります。尚、このホスぺスはホテルの核心であるホスピタリティという言葉のおおもとになっており、このホスピタリティはポティス(力・権力・所有)という意味と、ホスティス(他人・外人・敵)という言葉が合わさって出来た言葉で、客人を保護するものという意味があります。

と同時に主人とお客がもてなしの中でひとつになるという意味も兼ね備えられています。このことからホスピタリティとは、身近にあるコミュニティの外部からやってくる客人を受けいれて、かつ保護(歓待)するという行為となります。この行為がさらに受け入れの具体的なおもてなしへと変化していく途中でホスピタリスという言葉に生まれ変わっていきました。

このホスピタリスという言葉は客人を歓待し、もてなすという意味の形容詞ですが、この言葉がさらに名詞化されてホスピターレとなりHospital(病院)とHotel(ホテル)の語源になります。さてホテルそのもののルーツですが、先ほど少し述べましたように、11世紀ごろにヨーロッパを巡礼途中にスイスの峠を越えようとする旅人たちが、疲れ果てて修道院の扉をたたいた際、その修道院が快くその旅人たちを受入れたこ宿泊所をホスピスと呼んでいました。

その当時のスイスというのはヨーロッパの十字路といわれており、古代ローマのころから交通の要所でした。そんな峻険な峠道を旅している人たちにとってこのホスピスの存在は命に代えがたいものだったのです。ちなみにその後の本格的なホテルということでは、ヨーロッパでセザール・リッツが、現代のホテルのような設備やサービス、システムを初めて導入し、大成功を収めましたといわれています。

そのセザール・リッツは、スイスの実業家で、1850年にスイスの片田舎に生まれ、15歳で地元のホテルのボーイとなり、その後に様々なホテルで経験を積んで、「お客様は常に正しい」、さらに「ホテルはお客様に満足を売る」というサービス哲学を軸にして、当時にしては斬新なアイデアをたくさん考案し高級ホテルとしてのサービスの方法を確立しました。

さらに偉大な料理人であったエスコフィエと一緒にフランス料理を取り入れてホテルの格式を高めることに成功。そしてサボイ・ホテルを成功させた後には、1898年にパリでホテル・リッツを開業し、そのホテルは大成功を収めました。続けてホテルリッツ(パリ)やリッツ・ロンドン、カールトンホテル(ロンドン)を開業し、ホテル王と呼ばれるようになりました。

今でもヨーロッパの各地に彼の経営したホテルは「リッツ・ホテル」としてその名をとどめています。ちなみに日本においては1853年にペリーの黒船の来航によって鎖国が破られ、その翌年に日米和親条約が締結されました。このことによって来日する外国人のための宿泊施設が必要となり、1867年江戸の築地にホテル館が建設され、外国の外交団並びに幕府が雇い入れた外国人達に利用されました。

その後、1870年にオリエンタルホテル、1873年には日光金谷ホテル、1878年には富士屋ホテル、1890年には帝国ホテルなどのクラッシックなホテルが誕生していったのです。